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COWON iAUDIO 9.

デジタル音楽プレーヤーのCOWON iAUDIO 9です。巷では、iAUDIOは音が良いという評判が高いので、その評判を確かめるために購入してみました。

スペック上で特徴的なのは、BBE+という仕組みが搭載されていることです。BBEについては、古いポータブルカセットテーププレーヤーにも搭載されていました。昔から存在した仕組みですので、それほど目新しい仕組みではありません。BBE+は古くからあったBBEに改良を加えたものですが、その効果も確かめてみたいと思います。
ただ、この手の高音質化の仕組みは沢山の製品に搭載されています。デジタル音楽プレーヤーでは、何となくSRS WOWを搭載したものが多いように感じます。デジタル音楽プレーヤー以外で身近なものでは、MicrosoftのWindowsに付属するWindowsMediaPlayerにSRS WOWが搭載されています。
その反面、BBEの方はFMトランスミッターやテレビに搭載されている例はあるようですが、それほど量は多くないように思えます。やはりBBEは過去の仕組みで、淘汰されつつあるのでしょうか。実際にBBEの発展形であるBBE+を使って、その効果も実感してみようと思います。

購入時の姿です。窓付きの無地の段ボール箱に品物が収められています。一見無造作なパッケージは、COWON社の合理主義の表れでしょうか。

段ボールを開けると、外見とは一転して、無駄に丈夫そうな樹脂製のパッケージが現れます。COWON社の説明では、この無駄に立派なパッケージは、ペン立てや植木鉢として使用できるので、決して無駄ではないとか。そもそも、輸送時に製品を程するのが主たる目的であるパッケージが、本来の目的を果たした後でも、別の用途に使えるというところが既に合理的ではないように感じます。

別の角度から見てみました。この変な形の物が立方形の段ボール箱に無いっているのですから、スペースファクターはすこぶる悪いと言って良いでしょう。この辺りの、妙に統一感とか合理性のないパッケージも、iAUDIOに人気の無い理由の一つかも知れません。

無駄に立派なパッケージの底の部分にはCD-ROMが収められていました。CD-ROMの上に納められていたドーナツ状の紙には、このパッケージが植木鉢として使用できることが図示されていました。

内容物を全て取り出してみました。説明書、イヤホン、USBケーブル、iAUDIO本体,そしてCD-ROMです。USBケーブルは、今は無きPanasonicのD-SNAPやSEAGRANDのX-REXと同じコネクタ形状でした。

本体です。購入したのは黒色のモデルです。まっ黒けです。本体前面のテカテカの部分の下半分がタッチセンサーとなっています。

本体向って左側面には音量調整ボタンが設けられています。音量調整ボタンは、設定によってホールド時に音量調整または選曲ボタンとして機能させることが出来ます。それにしても、かなりの薄型です。筐体の左右が絞り込まれていますので、実際の薄さが更に強調されています。梨地の表面は指紋や汚れが目立たず、手触りもしっとりとしています。樹脂製の筐体は高級感は今一つですが、素晴らしく軽量でスリムな形状により、抜群の携帯性を有しています。

本体下側にはストラップ取り付け用の穴、イヤホンジャック、USBコネクタが用意されています。

本体向って右側面には、メニューボタンと電源/ホールド一体型スイッチが設けられています。電源のON/OFFはスイッチを下方向にスライドさせることで行います。電源ON/OFF動作はモーメンタリーとなっています。スイッチを上に押し上げるとホールド状態となります。モーメンタリー動作とトグル動作を組み合わせたスイッチとなっています。

本体上部にはツルリとしております。

このiAUDIO 9ですが、デジタル音楽プレーヤーという位置づけではありますが、動画の再生、音声の録音、FMラジオ、テキストビューア、画像ビューアの機能が搭載されており、マルチメディアプレーヤーとしての機能もあります。
写真の撮り方が良くありませんが、音楽再生時にはジャケット画像が表示されます。タッチスクリーン部分も照明で浮き上がる仕組みとなっています。画面はかなり鮮明で、細かい文字も読み取ることが可能です。

気になる音質の方ですが、音質云々よりも基本的な部分である出力アンプの出来が素晴らしく良いように感じました。iPodの音が悪いという意見を耳にすることがありますが、あれは音が悪いのではなくアンプがよろしくないのです。録音レベルの高い音を再生すると、iPodの場合イコライザの設定によっては音が割れることがあります。アンプの出力に余裕がないために音が割れ、結果として音が悪いという判断になってしまいます。

一方、iAUDIO 9は私の試した範囲では音割れは発生しませんでした。ノイズも感じられませんでした。そういった意味では、素姓の良い、基本性能の高い音楽プレーヤーであると言えます。

BBE+に関しては、SRS WOWと比較して大きく優れた部分は感じられませんでした。しかし、iAUDIO 9が他のSRS WOWを搭載した機器と決定的に違う部分があります。それはBBE+と他のエフェクターとの組み合わせです。たとえば、SRS WOWの場合、エフェクターとしてSRS WOWを選択すると、他のエフェクターは働かなくなります。一方iAUDIO 9では、BBE+とグラフィックイコライザや3Dエフェクトを組み合わせて使用することが出来ます。たとえばBBE+で低音を強調させた上にさらにグラフィックイコライザで低音を増強するといった使い方もできます。そのように、複数のエフェクターを組み合わせて使用しても音割れは発生しません。

音の良さよりも、音の調整範囲が恐ろしく広い音楽プレーヤーであることがiAUDIO 9の特徴です。原音に忠実な再生よりも、自分の好みの音を作り上げ、心地よさを求める人向きの音楽プレーヤーです。原音への忠実度を求めるのであれば、iAUDIO 9はふさわしくありません。
基本性能や素姓の良さを感じさせる音楽プレーヤーです。自分の求める音を作り出す事に手間を厭わない、自分の基準をしっかり持った人にはお勧め出来る音楽プレーヤーです。