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DAISO Headphones.

100円ショップで100円を超える品物を買うのはなんとなく気が引けるものです。そして、どう見ても数千円するのが相場の品物を100円で買うのも、なんとなく裏がありそうで気になります。今回は、そんないつも気になっているのだけれどなかなか買うのを躊躇する品物を買ってみました。そして、いつものようにレビューしてみました。

今回のレビュー対象は、100円ショップのダイソーで販売されているヘッドホンです。その名も「高音質オーバーヘッドホン」です。世の中粗悪な品物に「高品質」と書くことはあっても、本当に高品質な品物に「低品質」と書くことは絶対にありません。そして、往々にして「高品質」と書かれた物にとんでもない代物があったりするものです。
その昔、トヨタの車は一番最低グレードがDeluxで、最高グレードがCustomだったりしたのですが、この辺りのセンスは銀座のとある寿司屋と共通するものがあるように思います。その寿司屋では梅がいちばん値段が高くて、竹、松と順に値段が下がっていきます。トヨタの車に話を戻せば、大量生産品にCustomというグレード呼称を与えてしまうセンスはかなり違和感を持ちます。

そんな訳で、「高音質」とデカデカと書かれているだけで、十分警戒モードです。そして販売価格は、100円ショップの掟破りの900円(税込945円)です。100円ショップで900円の商品を買うのは大変な勇気を必要とします。これまで、100円ショップで100円の商品を9個買うことはあっても、900円の商品を買ったことは一度もありません。それこそ清水の舞台から飛び降りるような蛮勇を奮って購入です。

先ずは、パッケージから見てみましょう。見た目はそれほど悪くありません。「高音質」と書かれてしまうと、寧ろ警戒モードに入ってしまうのは、私がひねくれている為でしょうか?

スペック表記です。
 ドライバー:Φ40mm ネオジウムマグネット
 出力音圧レベル:104dB
 再生周波数帯域:20~20000Hz
 最大入力:20mW
 インピーダンス:32Ω
 プラグ:Φ3.5mm ステレオミニプラグ
 コード長さ:約120cm(シングルコード)
 質量:約135g(コード含む)

最大入力が、20mWと目を疑うほど低い値です。ヘッドホンであれば、最大入力が1000mWを超える製品も珍しくありません。最大入力が20mWというとイヤホンのレベルですね。そのほかには、とりたてて注目すべき部分はありませんね。


どうやら密閉型らしいです。まあ、これも特筆すべき部分ではないですね。


コード部分は、布巻きタイプで太めです。耐久性もありそうで、この辺りは好感が持てます。プラグはストレートタイプで、金メッキは施されていません。なお、コード長は1.2mと、ヘッドホンとしては短めで、恐らくアウトドアでの利用を目的として作られているように思われます。


アジャスター部分です。手で伸ばしたり縮めたりするタイプで、古臭い構造ですね。


イヤーバッド部分です。黒色の人工皮革?なのでしょうか。これも低価格のヘッドホンにありがちなもので、経年変化で表面の樹脂がボロボロと剥がれるものと思われます。イヤーバット部分のアンコは硬めで、耳にフィットしません。それから、イヤーパッド部分が前後に首を振らないため、イヤーパッドが耳に密着せず、少し隙間が開いた感じになります。ヘッドバンドのばねの強さは適当で、締め付けが強すぎて耳が痛くなることは無いでしょう。また、頭を前後に傾けてもヘッドホンがズレるようなことは無く、そういった意味で適度な締め付けと言ってよいでしょう。


ドライバ部分への配線はあまり上手な処理ではありません。如何にもやっつけ仕事で取り付けたビニールチューブで、金属製のステーに添わせています。また、個体差かも知れませんが、ドライバに給電するケーブルが短めで、ヘッドバンドを一番伸ばした状態で、ドライバ上下方向にくるりと回転させると、ケーブルにかなりのテンションがかかります。


このヘッドホンを鳴らしてみて先ず気になったのは、音が小さいことです。スペック上はドライバ能率は104dBとまずまずの数値が記載されていましたが、実際にはもっと小さな値ではないでしょうか。

パッケージを開けてちょっと聴いた感じは、全体的に篭もった感じで、所謂ヌケが悪い状態でした。その後、音が割れないぎりぎりの音量で5時間ほど乱暴なエージングをしたところ、漸く篭もった感じは少しだけ収まりました。

さて、気になる音質ですが、低音域はやや不足した感じも受けますが、必要な分だけしっかり出る感じです。ただ、低音域の締りはあまり良くなく、ボンボンと響く感じです。恐らく150Hzから250Hz付近に共振するポイントがあるのではないかと思います。これよりも低い、60Hz付近の音はしっかりと過不足なく出ており、質感も悪くありません。

中音域は、若干の誇張が感じられます。中音域の誇張により聴感上周波数特性がナローに感じられてしまいます。

高音域は、上記のとおり中音域の僅かな誇張に足を引っ張られた結果、不足しているように感じられます。ただ、高音域の不足感は聴感上の錯覚であり、決して高音域の量が不足しているわけではありません。

音像の定位は、中音域がやや多めに出ている為か、ボーカルはしっかりと中央に定位し、所謂口の小さい定位となっています。

Hi-Fi感は残念ながら低いながらも、全体的に概ねフラットな鳴り方はそれなりに評価しても良いかもしれません。100円ショップで900円の商品を買う勇気のある人だけにお勧めします。