Gadgets.‎ > ‎

e-Book reader.

久々のレビューです。今回レビューするのは、中国メーカー製電子ブックリーダーです。
電子ブックリーダーとしては、アマゾンの販売するKindkeが真っ先に頭に浮かびます。Kindleについては、発売からしばらくの間、日本語対応がされていなかったため、日本での普及度はイマイチでしたが、北米を中心に英語・ラテン語系の国では随分と売上げを伸ばしているようです。
一方、日本のメーカーもKindle登場前から電子ブックリーダーを販売していましたが、いまひとつ普及はしなかったようです。当時の商品は、画面の視認性の悪さや、書籍データの提供が積極的に行われていなかった為、普及しなかったのではないかと想像します。そして、一部の商品では、紙の書籍と同じく、二つの画面をヒンジでつないで、紙の本と同じように開いて読む形式を取っていました。それなりの大きさの画面が左右に二画面ありましたので、それなりに重量もあり、折りたたんだ際の厚さも結構なもので、持ち運びに適した製品とは言えませんでした。
 
そんな風に、日本勢がユーザーの支持を集められるような商品を市場投入できないまま沈滞していたところに、Kindleは投入されました。本という概念はバッサリと切り捨て、本というよりも文字データを読む事だけに特化したKindleは潔い商品でした。恐らく、安い価格、コンパクトなサイズ、簡単な操作、PDF/HTML/テキストなどのありふれたデータを表示できるところが受けたのでしょう。電子出版がいまひとつ隆盛を見せない現状では、ありふれたデータを表示する事に特化した潔さも、Kindleを魅力的にしているのでしょう。そして日本では、紙の書籍をPDFデータに加工する、”ジスイ”という方法で書籍データを自ら作る者も現れました。町には"ジスイ"の為の機材を揃え、"ジスイ"の為の場を提供する自炊ルームが出現しています。”ジスイ”自体は、Kindleの為のデータ作りというよりも、アップル社のiPadの出現によるところが多いのでしょう。
 
そんな電子ブック隆盛を、世界の工場である中国が指をくわえて静観するはずがありません。中華民族の持つ優れた合理化精神により、これでもかというほどの機能を盛り込み、完成度を別にすれば、先行するKindleよりもずっと高機能な製品を作り上げてしまったのです。そうやって生み出されたものの一つが今回レビューする中国製電子ブックリーダーです。
 
購入元はdealextreme.com、購入時の価格はus$70.70でした。
 
先ずはいつものように、dealextreme.comに記載の商品説明から見てみましょう。

7.0" TFT LCD E-Book Reader 720P MultiMedia Player w/ TF/FM/Voice Recorder - White (4GB) 

  Property Value
  Model: E031
  Casing: White
  Flash: 4 GB
  Expansion Card: Maximum support 16 GB MicroSD/TF card
  Display: 7.0 inch TFT LCD (800 x 480 pixels resolution)
  Text-reading: TXT / PDB / LRC / PDF / MOBI / HTML / FB2
  Photo View: BMP / JPG / GIF / PNG
  Support Video Formats: 720P RMVB / RM / AVI / VOB / FLV / MPEG4
  Video Output: No
  Support audio formats: MP3 / WMA / FLAC / AAC / OGG / APE
  FM Radio: Yes
  Speaker: Built-in
  Microphone: Built-in
  Interfaces: TF + 3.5mm earphone + Mini USB
  Transmission Interface: USB 2.0 interface
  Battery: Built-in 2100 mAh Li-ion battery
  Supported Languages: English / Simplified Chinese / German / Italian / Portuguese / Dutch / French / Spanish / Polish / Russian / Turkish / Czech / Danish / Japanese / Swedish / Korean / Greek / Traditional Chinese
  Accessories Included: 1 x USB cable
  1 x AC 100~240 power adapter (US plug)
  1 x Earphone
  Manufacturer's Warranty: 12 Months excluding physical damages (see specifications for terms and details)
 
電子ブックリーダーの機能の他に、FMラジオ、音楽再生、動画再生、フォトフレーム機能、録音機能を搭載しています。とにかく多機能で、画面は横長の7インチサイズのカラー液晶です。画面表面は画面表面に微小な梨地処理を施したノングレアタイプとなっています。
 
では、中国から送られてきた品物を見てみましょう。商品は、いつものようにクッション材つきの封筒で商品が送られてきました。
 
箱を開けてみました。dealextreme.comではどうやら画面を保護する為に、液晶パネルを下に向けて発送しているようです。電子ブック以外でも、液晶パネルを搭載した商品は大体画面を下に向けられて梱包されています。箱表面の写真を撮るのを忘れてしまいましたが、箱表面のデザインは、如何にも中国チックな感じで、お世辞にもスマートな印象を受けるものではありませんでした。
 
箱の中身を全て取り出してみました。本体の他に、PCとの接続の際に使用するUSBケーブル、充電用のACアダプタ(アメリカンタイプのプラグとなっていますので日本でもそのまま使えます)、そして如何にも音の悪そうなイヤホンが付属します。本体は随分と薄く、軽く作られており、持ち運びに苦労する事はありませんが、本体の大部分が液晶画面で占められており、画面の破損には十分な配慮が必要でしょう。充電は、付属のACアダプタを使用しなくても、USBケーブルを使ったUSB端子経由の充電が可能です。
 
大分ピンボケですが、本体の下の方を写してみました。操作用のボタンが設けられています。電源ON/OFF以外の殆どの操作は、キーボード部分右端に設けられた十字型に配置されたキーによって行う事ができます。操作系はそれなりに洗練されているように思います。マニュアルの記述を参照することなく、ほぼ直感で操作する事が出来ました。特に、マニュアルの整備が疎かになっている中国製の機器の場合、直感で操作できる解り易さは重要です。
 
本体下面に集められているコネクタ部分です。写真左側から、ミニUSBコネクタ、マイクロSDスロット、ACアダプタ用コネクタ、Φ3.5mmステレオイヤホンコネクタです。コネクタ類が一つの面に集中しているのはよろしいのですが、本体下面がベストな位置かというと、少し疑問ですね。個人的には、それほど不自由していないのですが、例えば充電しながら電子ブックを読む場合には、手前にケーブルが出る事になり、それが使い易いかというと少し疑問です。 
 
本体背面です。スピーカー、マイク、リセットスイッチが設けられています。スピーカーはそれなりの音量が確保されていますので、屋内であれば、イヤホンなしに音楽再生や動画再生を行う事も可能でしょう。マイクは、メモ録音の為に設けられていますが、感度がいまひとつで、録音の品質もそれほど良くありません。あくまで、メモ録音用として割り切ったほうが良いでしょう。リセットスイッチは、本体が暴走状態となってどうしようもなくなった際に操作するものですが、この電子ブックリーダはそれなりに良く出来ていて、今のところリセットスイッチのお世話にはなっていません。
 
電源を入れ、初期メニューを表示したところです。写真の撮り方が下手で、あまり良く写っていませんが、画面表示は鮮明で、バックライトの明るさも十分です。梨地のノングレア処理がされている為もありますが、画面の発色は淡く感じられます。表示言語は、日本語に切り替えることが可能ですので、

音楽再生をしてみました。ジャケットの画像データを埋め込んだMP3ファイルであれば、画像表示が行われます。また、歌詞データが埋め込まれたMP3ファイルであれば、歌詞表示も行われます。音質については、特に何処が悪いという事は無いのですが、ハイファイ感が感じられない再生音です。音にうるさい人が使う商品ではありませんので、この程度で十分でしょう。少なくともFMラジオ程度の音質は確保できていますので、この商品のおまけ機能としての音楽再生としては十分な品質が確保されていると判断します。
この電子ブックリーダーには、FMラジオ機能も搭載されています。受信周波数帯は、日本向けに切り替える事ができます。ただし、何故かステレオ受信モードにしてもモノラル受信しか出来ません。これも、おまけ機能ですからこれで十分でしょう。
 
動画再生を試してみました。下の写真は随分と写りが悪いですが、実際の表示はそれほど悪くありません。途中からのレジューム再生機能もついていますので、細切れに再生する事が出来ます。しかし、何故か映像の早送りや早戻しを行った後はフレーム落ちが発生するようになってしまいます。観られないほど酷くは無いのですが、スムーズな再生が出来ないのはいただけません。そして、動画再生中は、再生音にノイズが入ります。十分に低いレベルのノイズですが、特に小音量での再生の際には気になります。
 
さて、メインの機能である電子書籍の表示を行ってみました。テキストファイルの他にPDFやHTMLファイルも表示できます。ただし、HTMLファイルに関してはブラウザからエクスポートされたファイルは残念ながら表示できません。当たり前ですが、スタイルシートを読み込む機能もありません。あくまで単一のファイルで構成された、極基本的なHTMLファイルしか表示できないと考えたほうが良いでしょう。それから、本体に搭載された日本語フォントは、一部の文字が中国語などの他の言語と共有していると思われ、日本で普通に使われる漢字とは少し違った形の文字が表示される事があります。イメージどおり、正しく表示したければ、フォントを埋め込んだPDFファイルを用意する必要があります。
 
以上の他にも、マイクからの録音機能、FMラジオの録音機能、カレンダー表示、スライドショー機能が搭載されています。実際に出張の際にこの電子ブックリーダーを持参しましたが、最高の暇つぶしマシーンです。特に長時間の移動での暇つぶしには最適で、読書に飽きたら映画観賞、それに飽きたら音楽再生といったように次々と機能を切り替えながら使用することが出来ます。電池も動画再生で四時間ほどは持ちます。何故かこの手の中国製機器に多い7インチという画面サイズも絶妙で、これ以上大きいと持ち歩きには適さなくなりますし、これよりも小さいとせせこましい感じになります。
紹介した機能の他に、日本では使い物になりませんが、文書の読み上げ機能が搭載されています。この機能は残念ながら英語と中国語のみで有効です。
 
この商品に限らず、中国製の商品というのは、形だけを真似て、中身は全くのオリジナルというものが少なくありません。電子ブックリーダーに特化するのであれば、電力消費が少なく、バックライトも必要のない、電子ペーパーの採用が望ましいのでしょうが、中国メーカーは十分実績があり、恐らく調達費用も安いであろうカラー液晶を搭載する事で、Kindleには逆立ちしても出来ないカラー動画再生機能も詰め込んでしまいました。一見アバウトで、ありながら欠点を利点に変えるという中国メーカーならではの合理精神とアバウトさが渾然一体となった電子ブックリーダは実に面白い商品です。細かい事を気にせず、大らかな気持ちで使うならば、最高の暇つぶしマシーンとしてあなたを楽しませてくれる事でしょう。