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PortaPro RED HOT.

KOSS社のヘッドホンPortaProの北米地域限定商品のPortaPro RED HOTを入手しました。ベースとなる、PortaProはかれこれ15年ほど前から愛用していて、その華奢な見た目にのも係らず、消耗品のイヤーパッドを年に一回程度交換しただけで現在でも何の問題もなく使えています。
PortaProの特徴はなんと言っても音です。とにかく明るく脳天気なサウンドは如何にもアメリカといった感じです。低音域はたっぷりと、これでもかと言うほど出ますし、高音域も限りなく伸びている印象を受けます。ただし、私がリファレンスとして使用しているSONYのMDR-CD700に比較すると、サブソニック領域はスカスカですし高音域も寸詰まりな感じで、実際には再生周波数はそれほど広くありません。恐らく適度に要所要所を強調することで、聴感上広い周波数帯域を確保しているのでしょう。そういった意味で、実際の音で聞かせるのではなく、作り上げた雰囲気で聞かせるタイプのヘッドホンです。
そんなPortaProですが、登場から四半世紀を経過して、途中SportaProという姉妹機が出た以外はモデルチェンジもなく、現在でも生産が続いているのは製品のコンセプトが世に受け入れられているからでしょう。激しい音漏れや、全く存在しない遮音性という大きな欠点を抱えつつも愛用しているのは、この製品のコンセプトに惚れ込んだからに違いないでしょう。

今回は、大好きなPortaProの北米地域だけで販売されている限定品、PortaPro RED HOTをレビューします。PortaProは本来水色を基調とした色ですが、米国ではこのほかに黄色や赤を基調としたものが販売されています。そして、日本でも二十五周年記念モデルが販売されています。

それでは、いつものように購入本のDealextreme.comの商品説明から見てみましょう。

Trendy 3.5mm Stereo Foldable Headphone - Black + Red (145cm)

- Fit over the head comfortably
- Lightweight and compact
- Deliver excellent audio quality and great bass
- Greater sound isolation
- Compatible with all media devices with 3.5mm headphone jack
- Comes with a carrying bag

Dimensions: 4.33 in x 2.17 in x 0.59 in (11.0 cm x 5.5 cm x 1.5 cm)
Weight: 5.19 oz (147 g)

商品説明にKOSSというメーカー名は記述されていません。従って、偽物である可能性大です。販売価格も、正規品の日本国内での実勢価格が六千円程度であるのに比較してus$10.92と、かなりお安くなっています。値段からしても偽者の可能性大です。

さて、実際に送られてきたものを見ると、ちゃんとしたパッケージです。

パッケージ裏面の記載もしっかりされています。

パッケージを開けて中身を取り出してみました。ヘッドホン本体に収納用の巾着とプラグ変換アダプタが付属しています。このあたりは正規品と全く同一です。

左側のドライバ部分に付属する、存在の意味が全くわからないネジも正規品と同様につけられています。もともと正規品もかなり安っぽい作りですので、安っぽさで偽物であることは判断できませんが、備わっているものは全て備わっていますし、材質面でも正規品との違いは無いように見えます。

正規品と異なっているのはプラグ部分です。正規品はL字型プラグでしたが、今回入手したものはストレートプラグです。

偽物であれば、正規品と異なることが多いインピーダンスをチェックしてみました。インピーダンスを測定する機材は持ち合わせていませんので、単純にボイスコイルの抵抗値を計ってみたところ、61Ωでした。これは正規品と同じで、そういって意味では正規品に限りなく近い偽物か、本物か判断ができません。もしかすると、本物かもしれません。本物だったら超お買い得商品です。

さて、音質を評価するために、正規品のKOSS PortaProとの比較をしてみましたが、音はかなり違います。正規品は、これでもかと言うほど低音域の押し出しが強いのですが、今回入手したものはそれほどでもありません。ただし、低音域が出ていないわけではなく、強調されていないと言ったほうが良いでしょう。従って、正規品よりフラットに近い周波数特性と言って良いでしょう。
低音域は適度に出ています。そして、高音域は全く曇りの無い鳴り方です。高音域に関しては正規品と同じくどこまでも伸びて行く感じですが、実際には超高音域に関してはさほど出ていません。従って、音域の広さで聞かせるタイプのヘッドホンではなく、雰囲気で聞かせるタイプのヘッドホンです。ただし、低価格のできの悪いヘッドホンにありがちな、曇りや篭りを伴った鳴り方ではありません。ドンシャリではありますが、度を越したドンシャリではなく。よりフラットに近い鳴り方という観点では正規品より素直で、好感が持てます。

今回比較対照としている正規品は、十年以上も前に購入したもので、経年変化している可能性もあるでしょうし、そもそもKOSSの音作りが変化した可能性もあります。

結局、本物であるか偽物であるか判断はつきませんが、十分実用に供する品物です。お値段も非常にこなれていますので、偽物であったとしても損に感じることは無いでしょう。

遮音性が全く無く、音漏れも激しいヘッドホンであることは、正規品と全く同じです。そういった特性を理解したうえで購入するのであればお勧めできます。