いきなりですが、「高級」という言葉を耳にしたり口に出す機会が減っているように感じます。恐らく「高級」という言葉があいまいで、結局のところ何を持って高級と称するのか、不明確になっている為ではないかと思います。 単に「高級」という尺度で物事を推し量ることが出来なくなって、少し具体的に「高品質」「高性能」「高機能」「高耐久性」といった尺度が台頭してきたため、あいまいな「高級」という尺度は少し後退してしまったのではないでしょうか。そうはいっても「高級」という言葉は残っていて、単に「高級」と言われると、「高価格」という言葉が連想されます。二十~三十年前の高度成長期そしてバブル期は消費することが美徳であり、それこそクリスマスイブ一晩で、高級ホテルで何十万使ったという浪費自慢が蔓延していました。 これは、その昔あったオーディオブームも同じようなもので、色々と御託を並べて結局は「高価なスピーカーは音が良い」というある意味当たり前の結論を導き出したまでは良いのですが、「高価なケーブルを使うと音が良くなる」とか、「電源ケーブルもOFCにすると音が良くなる」とか、「CDの縁に緑色の塗料を塗ると音が良くなる」などというオカルトチックなところまで行きついてしまいました。ここまでいくと、自分の耳の性能を客観的に捉えられる常識人はどんどんとオーディオブームから取り残され、オカルトの世界に住み着いた一部のマニアだけでオーディオブームを支え切れるはずなどなく、ブームは終焉を迎えたわけです。そして、ポータブルオーディオの台頭で、オーディオはよりカジュアルになり、デジタルオーディオの台頭でオカルトは排除され、万人が気負いなく楽しめる真のオーディオの世界がやってきたわけです。 さて、長々と前置きしたのは、今回レビューするv-moda vibe v2(?)が「高級品」を崇拝する輩の足元を見て作られた品物に思えたからです。元々イヤホンというものはカジュアルなもので、それこそ寝転がって使ったり、屋外で誤って地面に落したり、ポケットの中にくしゃくしゃにしてしまい込むような類の普段使いの道具だと考えています。測定器でも無ければ命を預けるようなものでもありません。従って客観的な評価など必要なく、手にした者がただ気に入って使えば良い、そんな性格のもののはずです。 前置きが長くなりました。品物の方を見てみましょう。 イヤホン本体はアルマイト処理されたアルミ製で、削り出しのように見えます。 正規品発売元のFocal Point Computerのホームページでは密閉型となっていますが、今回レビューする品物は密閉型構造ではなく、ドライバ背面の黒色のキャップとハウジングの間に隙間があり、実際にこの隙間から音漏れもしています。 プラグ部分は、一世代前のv-moda vibe v2の形状となっています。 このイヤホン、恐らく中国の偽物メーカーで形だけ似せて作られたものなのでしょう。「高級品」と同じ外観を持たせ、「高級品」を盲目的に崇拝する輩に向けて作られたものなのでしょう。私自身も過去にBose in ear HeadphonesやuSONY MDR-EX700を買っていますので、あまり大きなことは言えませんが、この品物はそんななかでも最も程度が低い品物です。 |







