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Linksys WIP300

久々の更新です。今回は最近ちょっと下火のIP電話について触れます。これもパラダイムシフトなのでしょうか、一時はヤマハからはVoIP機能付きのルータが発売されていたり、マイナーではありますが、ロジテックからスカイプ電話機が売られていたりしましたが、この手の商品はすっかり影を潜めてしまいました。しかし、IP電話そのものの市場が狭まったということでは無いようです。その証拠に、スマートホン用のサービスである050plus,LaLaTalk,SMARTalkといったサービスはスマートホンの普及に併せるようにその種類を増やしています。

つまり、電話の世界でも専用から汎用へのパラダイムシフトが起きています。ワープロが辿ったように、電話もスマートホンやタブレットの一機能に収束する可能性もあるのでは無いでしょうか。

IP電話には数ヶ月前にフュージョンコミュニケーションのSMARTalkというサービスを契約し、アンドロイドのタブレットにインストールして使用していたのですが、正直なところ使い勝手はあまりよろしくありませんでした。というのも、タブレットが省電力モードに入ってしまうとWiFiの通信も断(WiFiを常にONにしておく方法もあるのですが、電力消費が激しいです。)になってしまうので、いざ使おうという時にスッと使えない使いにくさがあります。そして、省電力モードに入ると着信できないという不都合もあります。

そんなタブレットならではの使い勝手の解消を図るには専用端末の導入しかないということで、今回はシスコシステムズ(私にとってはLinksysの方が馴染みがあります。)のWIP300というWiFi電話機を購入してみました。この電話機にフュージョンコミュニケーションのSMARTalkのアカウントを導入し使ってみることにしました。(調べた限り前例がないようで、試行錯誤の連続で、結構大変な作業でした。)

当然のことながらLinksys WIP300は日本では販売されていません。また、得意の中国の業者でも取り扱いがなく、今回は米国のオークションサイトであるEbayで購入しました。購入価格はus$54で、送料は無料でした。

では、早速届いた品物を見てみましょう。

如何にもアメリカンな感じのそっけない段ボール箱で届きました。今回購入したのはWIP300という品物ですが、この兄弟機にスカイプも使用できるWIP320という機種もあるようなのですが、残念ながらEbayのどの業者も取り扱っていないようでした。残念。

箱を開けたところです。電話機とバッテリーが顔を出しました。ちなみにバッテリーは900mAhのリチウムイオンバッテリーでした。中仕切りの下に説明書と充電器が入っていました。

中身を全部出してみました。残念なことに充電器はCプラグで、日本で使用するにはプラグアダプタが必要です。ちなみに、Ebayに出品していた業者はカナダの業者だったのですが、なぜか商品の発送もとは韓国で、電話機本体は台湾製でした。

説明書の入ったボール紙のフォルダを開けたところです。説明書は申し訳程度で、CD-ROMに収めてあるマニュアルもあまり詳細な記述はありません。この少ない情報でセットアップするのはかなりの知識と経験を要求されます。知識も経験もない私は結局使えるようになるまで二晩かかりました。

電話機本体です。ずっと昔の携帯電話のようです。

本体裏面にはLinksysとシスコシステムズのロゴが入っています。

本体側面にはヘッドセット用のΦ2.5のジャックが用意されています。昔の携帯電話用のヘッドセットがそのまま使えます。

本体下面にはマイク穴と充電用のミニUSB端子が用意されています。

裏蓋を開けてみました。SIM挿入部分が無いのが携帯電話との大きな違いですね。ローコストな製品のためか、かなりシンプルな作りです。裏蓋はロックが弱く、ちょっとした衝撃で外れてしまいます。実使用に当たっては、バッテリーと裏蓋の間に少しの詰め物をした方が良いでしょう。

バッテリーを装着してみました。ローコストな商品ではありますが、最低限の精度は保っています。

電源ボタンを押すと電源が入ります。

さて、ここまでは良かったのですが、SMARTalkのアカウントを使えるようにするのには苦労しました。この苦労を忘れないために備忘録として、設定を以下に記録しておきます。便宜上、フュージョンコミュニケーションから発行されたSMARTalkの電話番号は050-5123-6789とします。
設定はMeny→Profileからスタートです。

Profile
  |
    +----SIP Account
                  |
                 +--- Phone Number: 51236789            ← 割り当てられた電話番号から頭の050を除いたもの
                 +--- Auth. ID: 51236789                      ← SMARTalkのアカウントID  ↑と同じです。
                 +--- Auth. Password: *******                ← SMARTalkのMyPageに表示されるパスワード
                 +--- SIP Domain: SMART.0038.NET
                 +--- Proxy Addr.: 61.213.230.153         ← nslookupで求めたsmart.0038.netのIPアドレス
                 +--- Proxy Port: 5060
                 +--- Outbound Addr.:  (空白)
                 +--- Outbound Port: 5060
                 +--- Reg. Timer(sec): 30                     ← 短くすると着信ロスが減ります
                 +--- Codec: G.729A                           ← G.711uでも大丈夫
                 +--- Pkt Time(ms): Default
                 +--- OutBand DTMF: on

上記の設定で特に注意深くチューニングしなければならないのがReg. Timerの値です。初期設定値は3600ですが、これですと着信できない場合が非常に多いです。途中にNATが入っている場合は、NATテーブルがリフレッシュされる間隔よりも短くしなければ着信ロスが発生するでしょう。逆にグローバルIPをWIP300に割り当てた場合には初期設定の3600のままでも良いでしょう。私の環境では多段NATが入っている関係もありますが、最適値は20でした。恐らくこの値を小さくすることで、単位時間当たりの消費電力は増えるはずですので、着信を重視しないのであれば初期設定の3600のまま使用するのが良いでしょう。

とにかく情報が少ないので、設定には苦労しました。一番最後まで分からなかったのがPhone Numberの設定でした。Phone Numberに050を含めていたのですが、そもそもこれが間違いで、Phone NumberとAuth. IDを一致させないとSIPサーバへの登録に失敗します。この辺りは、ソフトフォンの場合は、ソフト側でうまい具合に処理してくれるのでこれまで気にしなかった部分でした。ただ、幸いSTUNサーバは必要ありませんでした。

実際の通話品質ですが、発信については通常のダイヤル回線と比較しても遜色は感じませんでした。しかし、↑にも書きましたが、設定によってはかなりの着信ロスが発生します。これについては、使用するネットワーク環境と消費電力とを勘案しながら最適値を見つける他は無いでしょう。